競馬用語まとめ

競馬用集 一覧
《あ~お》
あがり
競馬のレースにおいてはゴールまで3ハロンないし4ハロンの地点からペースアップすることが多いため、終盤3ハロンの走破タイムを上がり3ハロン、終盤4ハロンの走破タイムを上がり4ハロンと呼ぶ。
折り合い(おりあい)
折り合いとは、競馬のレース(競走)において競走馬が騎手の制御・命令に従って走っているかどうかを指す言葉である。 競走馬が騎手の制御・命令に従うことを「折り合う」または「折り合いがつく」という。反対に制御・命令に従わず、走るスピードを上げたがることを「折り合いを欠く」などといい、軽度の場合は「一所懸命に走りすぎる」、重度の場合は「引っ掛かる」「かかる」ともあらわす。中央競馬騎手の後藤浩輝は、引っ掛かるとは「レースの流れとは明らかにチグハグになって、浮いてしまっているような状態」であると説明している。
一般に競走馬が折り合いを欠くとスタミナを消耗し、レース終盤での失速に繋がるとされる。とくに長距離戦では致命的な敗因となることが多い。一方、短距離戦では序盤から早いペースでレースが推移しまた長距離戦ほどスタミナを要しないため、折り合いを欠くことによるデメリットが比較的少ないとされる。
アオる
発馬の状態で、発走直前、あるいはゲートの開いた瞬間にゲート内で立ち上がったりして、前肢を上げた格好で発走すること。レース経験の浅い新馬戦などにこういった状態を見せる馬が多いが、発馬の際アオッて出ることが癖になっている馬もいる。成績表の通過順の上にアオルと書いてある場合、これはそのレースで番番の馬がアオッて出たということで、他の馬よりスタートで損をしているということである。
《か~こ》
買い戻し(かいもどし)
馬券が発売された後に競走除外や出走取消をした競走馬が出た場合に、その馬に関係する馬券を主催者が払い戻すこと。返還ともいう。

あくまでもレースに出走することができなかった競走馬が対象で、レース中の落馬等による競走中止の場合は適用されない。

なお、枠番連勝で一つの枠に2頭以上が入っていた場合、そのうちの1頭が除外になっても返還は行われないので注意が必要である。
癖馬(くせうま)
馬自体が何らかの癖を持っているという言葉ではなく、レースや調教でまともに走らない馬をこう呼んでいる。ゲートで膠着して出ない馬、直線走路で内にササッたり、外にヨレたりする馬、またコーナーで外に逃げ逸走するなど、騎手の意志に逆らう動きをする馬のことをいう。
栗毛(くりげ)
被毛は帯褐黄色(黄色味を帯びた明るい茶色)、長毛は被毛と同色かその色を帯びた白色であるもの。長毛の色が特に淡いものを尾花栗毛といっている。
降着(こうちゃく)
レース中、騎手の判断ミスや競走馬の突然の奇行などにより他馬の進路が妨害されたときに下される処置のこと。様々なパターンが考えられるが、通常は被害を与えた競走馬のひとつ後ろまで着順が下げられる。また、騎手には騎乗停止の処分が下される。
毛ヅヤ(けづや)
パドック解説などで「毛ヅヤがいい」「毛ヅヤが冴えない」などとさかんに使われているが、毛の色・艶のことである。馬の栄養や健康状態がよく現れるのがこの毛ヅヤで、状態のいいときはつやつや光って見えるし、状態の悪いときは毛が立って光沢がなくなりボサッとした感じに見える。毛ヅヤは馬の手入れの良し悪しによって違うし、光線のあたり具合や、季節(寒い時季、冬毛が出ると毛ヅヤは冴えない)によってもその光沢に違いがあるので、そのときの状況に応じて見極めたいものだ。
《さ~そ》
差し(さし)
競走馬の戦法のひとつ。道中は中団付近に待機し、3、4コーナーでスパートし、直線で他馬を一気に抜き去る戦法のこと。

一般的には追い込み馬と同様に前方の競走馬が楽に走っているスローペースの競馬になると不利になる。どうしても馬群の中での競馬になってしまうことが多く、馬群を割れる気の強さや終いの切れ味が要求されるが、決まったときは見るものを魅了する華麗な戦法である。
ステイヤー
長距離を得意とする競走馬のこと。

一般的に長距離とは2500m以上のレースを指し、勝つには優れたスタミナが必要とする。2008年現在、平地競走で一番長い距離は3600mで、「ステイヤーズステークス」という重賞がある。

ステイヤーは飛びが大きく、胴の長い馬が多いとされる。逆に、短距離馬をスプリンターという。
《た~と》
滞在競馬(たいざいけいば)
トレセンから遠い所にある競馬場などで、競走馬を何日か前からレースの行われる競馬場に滞在させること。

夏場などの開催の時に行われることが多い。当日輸送よりもじっくりと調整できるというメリットもあるが、競馬場にはトレーニングセンターにあるような高度な調教施設がなく、主に本馬場での芝やダートの調教となる。
蹄鉄(ていてつ)
馬具のひとつ。競走馬の脚の裏に釘で打ち付けるU字型の金属。

昔は鉄で出来ていたが、改良が重ねられ、現在では軽くて丈夫なアルミ合金製のものが主流となっている。競走馬の爪を保護し、走るときの負担を軽くするために取り付けられる。

蹄鉄は誰でもつけられるわけではなく、修行を積んで装蹄技術を習得した装蹄師と呼ばれる職人が蹄鉄をとりつける。
繋ぎ(つなぎ)
蹄の上部と球節の間の部位で、獣医学上の第一指(趾)骨で構成され、第二、第三指(趾)骨は蹄の中にある。繋は馬体の重さ400~500キロもある重量を受けて、これを和らげる重要な部位である。疾走するとクモズレを起こすこともあるほど沈下することからもいかに大切なところかが分かる。
《な~の》
流し(ながし)
連勝式馬券の買い方のひとつ。1頭の軸馬を決めてその馬から他の何頭かの競走馬との組み合わせを買うこと。

仮に「1番」の競走馬を軸馬にしたとき、1-2、1-3、1-6、1-9といった買い方を「1番から流す」という。軸馬からすべての組み合わせを買うことを総流しという。現在は「流し/ボックス用マークシート」があり、簡単に流し馬券を購入することが出来る。
乗り替わり(のりかわり)
それまで騎乗していた騎手が別の騎手に替わること。主戦騎手が替わること。

理由は様々だが、前のレースでのレース運びが悪かった騎手や、それまで乗っていた騎手が何らかの理由でその競走馬に乗れなくなったときに乗り替わりとなる。
《は~ほ》
ハイペース
レースでの展開をさす言葉。レースの流れがはやいこと。先団を走っている競走馬は体力を多く使うことになるので最後にバテる可能性が高く、差し馬や追い込み馬が有利な展開になる。コースや馬場状態などの要因があり一概には言えないが、競走馬は2000mをだいたい2分前後で走るので、前半の1000mが60秒を切るとやや速めのペースとなる。
馬体検査(ばたいけんさ)
・装鞍所に集合時に馬体に異常がないか確認するための検査のこと。
・レース発走直前に放馬や外傷などアクシデントがあった場合に行われる臨時の検査のこと。
・入厩前の2歳馬に課せられる馬体検査のこと。産地馬体検査の項を参照。

上記の理由が馬体に見られた場合、競走除外となる。
放馬(ほうば)
競馬場やトレセンで騎手を振り落として逸走してしまうこと。競走当日においては返し馬のとき極度に興奮した馬が起こすことが多く、競走能力に影響することもある。
《ま~も》
前残り(まえのこり)
レースを先導する逃げ馬や先行馬が自分にとって有利なペース(主にスローペース)に持ち込むことが出来て、後続の追随を許さずにそのままゴールしてしまうこと。

開催の最後になって馬場が荒れてくると最後の切れ味が鈍ってくるため、前残りの競馬になりやすくなる。
メインレース
その日のレースの中で一番格の高いレースのこと。

ほとんどの場合は最終レースの1つ前の第11レースに組まれ、3時30分から45分頃に行われる。また、メインレースのひとつ前のレースは準メインと呼ばれることもある。障害戦を除くすべての重賞はメインレースに組まれる。
《や~よ》
稍重(ややおも)
馬場状態を表す言葉で4段階中2番目に馬場状態が悪い状態。

競走馬がノメったりするほどの影響はないが、全体的に少し力がいる馬場になり、時計がかかる状態。
優先出走権(ゆうせんしゅっそうけん)
トライアルレースで規定の着順に入った競走馬に与えられる、収得賞金を度外視して出走出来る権利のこと。

トライアルレースにおいて、重賞では3着以内、オープン特別の場合は2着以内で本番のGIレースの優先出走権を獲得することができる。ただし、賞金が0円の場合は重賞でも2着以内に入って収得賞金を獲得しないとないと優先出走権は与えられない。

また、桜花賞と皐月賞で4着以内に入った競走馬についてはそれぞれ優駿牝馬(オークス)と東京優駿(日本ダービー)の優先出走権が与えられる。
《ら~ろ》
落鉄(らくてつ)
競走馬の脚底に取り付けられている蹄鉄がなんらかの事故ではずれてしまうこと。

レース中に落鉄があると競走馬はその全能力を発揮できないで終わることがほとんどであるが、あくまでアクシデントなので馬券の買い戻しは行われない。
連闘(れんとう)
レースに出走した競走馬が翌週もレースに出走すること。様々な理由が考えられるが、体調がよくなければ出走してこないのでプラスと考えることの方が多い。特に関係者が「予定通りの連闘策」と表明しているときなどは要注意である。

なお、2008年現在、中4日以上開けないと競走馬はレースに出走できない規定があるので、土日連続でレースに出走する事はできない。
《わ~ん》
若手騎手(わかてきしゅ)
中央競馬において騎手免許の通算取得期間が7年未満で通算勝利度数100回以下の騎手のこと。

2004年に制定され、経験の浅い騎手により多くの騎乗機会を与え、育成を促進することを目的に若手騎手限定競走が施行されるようになった。なお、若手騎手限定競走は黒地に黄色の数字が書かれたゼッケンを着用する。
惑星(わくせい)
レースにおいて人気はないが展開一つで上位に来る可能性のある馬のこと。穴馬のこと。